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プリシラ周りの家系図

2024年12月14日

プリシラおめぇ誰の子なんだよ!!


 ソウルシリーズにおいて、プリシラの、というか神や竜周辺の家系図はどうにも分かりづらくややこしい。
 そのためプリシラが誰の子なのかはなかなか判然としない。
理由はいくつかある。


理由その1:神特有のよく分からない繁殖方法
 神話においては、神が奇妙な方法で産まれることがよくある。

 例えば、日本神話においては、神が体を洗った水から別の神が生まれたり、神の傷跡から神が生まれたりなんてエピソードが存在する。
 ギリシャ神話やヒンドゥー神話においても、泡から神が生まれたり、像に命を吹き込んで神が作られたりといったエピソードが存在する。
 早い話が「父親と母親が居て初めて子供が生まれる」みたいな常識が通用しない可能性があるのだ。
 ソウルシリーズに登場する神々は、そこまでしっちゃかめっちゃかな繁殖方法をしているわけではなさそうだが、それでも完全に否定しきれるかというと微妙なところである。
 何せ1のオープニングで「闇から生まれた幾匹かが~」なんて一説があるくらいだ。
 素直に受け取ればグウィンやニトやイザリス達は闇から生まれたことになる。


理由その2:王族、貴族特有の近親婚
 現代日本においては珍しいどころかタブーともされる近親婚だが、かつての王族や貴族の間ではしばしば行われていた。
 土地や財産が一族外へ散逸するのを防ぐためだとか、高貴な血統を守るためだとか、現代ほど遺伝学が発達してなかったからとか、理由は色々考えられるが、ともかく、王族や貴族の間ではそういったことも珍しくなかったのだ。
 また、神話においても近親相姦はたびたび行われている。
 ソウルシリーズにおいてグウィンは王族でありしかも神である。
 近親婚のようなことが行われている可能性はあるだろう。
 そのため、例えばAがBの母だということが確定しても、それと同時にAとBが夫婦である可能性や、兄弟である可能性などを排除できず、考察と家系図が大変ややこしいこととなるのだ。


理由その3:不明瞭な生殖可能範囲
 通常、異種族間での交配は困難である。せいぜいライガーとかレオポンとかラバとかそれぐらいが関の山である。
 しかし、ソウルシリーズにおいてはどうも竜と神、あるいは竜と人、あるいは蛇と人辺りが交配してるんじゃないかという気配がある。

 竜と人の例は「公爵の娘」を自称していることからシースの娘っぽいが、見た目はどうみても人であるシラだ。
 蛇と人の例は、ロンドールの黒教会メンバー(エルフリーデ、ユリア、リリアーネ)が世界蛇の娘と称されているのに見た目はどうみても人なことだ。
 まあ、これら2例は養子だとか、あるいは血縁関係はないけど思想を受け継いでいるから比喩的に「娘」と称されているだけみたいな可能性もある。

 しかし、竜と神に関しては、プリシラ、グウィンドリン、ヨルシカなど、実際に身体的特徴(体のサイズや竜・蛇の尻尾)が竜と神の中間的な雰囲気の面々がいるため、養子や比喩ではなく実際に交配が行われていると思われる。
 また、シースはグウィンの外戚となっているらしいので、自分の子供をグウィンに嫁がせていることが伺える。

 

分け与えられた王のソウル

 

「ウロコのない」白竜シースのソウル
火の時代の最初に見出された王のソウル

シースはグウィン王に与して古竜を裏切り

後に公爵として王の外戚となったとき

その偉大なるソウルを分け与えられた

 それは一部といえ、王の器を占めるに足るものだ


 要するに「竜と神」「蛇と人」「神と人」「蛇と神」「竜と人」などの交配パターンが、どれも否定しきれないということなのだ。



 ……​以上の理由により、ソウルシリーズの神族周辺の家系図考察はどうにも難しいことになっている。
 正直に言って、完全にコレという正解を断定することはまず不可能だろう。(ソウルシリーズの考察の常だが)

 しかし、正解は無理でも何とかそれっぽいものへにじり寄ることは可能であると考える。というのも、プリシラ周辺の家族関係は、ややこしい一方で考察の材料もそれなりに存在するからだ。
「半竜」という名称、プリシラのソウルのテキスト、生命狩りの鎌のテキストなどは特に重要な材料だ。

 順に見ていこう。

 まず、プリシラの「半竜」という名称だが、これは竜の血が50%入っているという意味だと考える。
 25%や75%ではなく、50%である。
 でないと「半」竜という名前がいまいちしっくりこないというか、美しくないように思うのだ。例えば、仮にプリシラに入ってる竜の血が25%なら、『四分の一の竜』みたいな名前にしそうな気がするのだ。ソウルシリーズのネーミングセンス的に。
​ 申し訳ないが、正直言って、完全に感覚的な話である上にメタな考察でもある。特にネーミングのセンスなんかはズレてるかもしれない。
 が、少しでもにじり寄るためにはその辺も根拠にしないと少々難しいのだ。プリシラさん家の家系図は。

 個人の感想ですということで見逃して頂きたい。

 仮に、プリシラに入っている竜の血が50%であるならば、その両親は割と限られてくる。
 少なくともシースとその子供による近親姦による子ではない(竜の血が75%や100%になってしまうため)し、
 両親共に純血の竜の子でもなく(100%になってしまう)、
 別の半竜と神による子でもない(25%になってしまう)。

 次に、プリシラのソウルのテキストだが、これには『不義の子』という言葉が含まれている。

 

半竜プリシラのソウル

エレーミアス絵画世界に閉じ込められた

純白の半竜プリシラのソウル

 

特別な存在は特別なソウルを有する

不義の子にして生命の天敵である半竜のソウルは

使用により莫大なソウルを獲得するか

他にない武器を生み出せる


​ 一般的に不義とは不倫、つまり配偶者以外の人と関係を持つこととして使われることがあるが、辞書を引くと実は他の意味もある。

不義(ふぎ)

1 人として守るべき道にはずれること。また、その行い。

2 道に背いた関係を結ぶこと。特に、既婚者が配偶者以外と肉体関係をもつこと。密通。「—をはたらく」

 個人的には、プリシラのソウルのテキストがいう「不義」とは、実は1の意味なのではないかと思っている。

 以前は2の意味、具体的にはシースとグウィンの妻(太陽の長子やグウィネヴィアの母)が不倫した結果生まれた子がプリシラなのではないかと思っていた。

 というのも、それなら(グウィンの妻が竜や半竜でない限り)プリシラの竜の血の割合は50%になるし、大王グウィンの妻が不倫した結果の子となれば、不義の子呼ばわりされて絵画世界に閉じ込められてしまうのも無理はないと思ったからだ。

 だが、結局は考えを変えることとなった。

 というのも、プリシラの両親がシースとグウィン妻だとすると、生命狩りの鎌のテキストにどうにも違和感が生じてしまうのだ。

 その生命狩りの鎌(1の武器ではなく、3の奇跡の方)のテキストを見てみよう。

生命狩りの鎌

 

神喰らいとなったエルドリッチの奇跡

幻の鎌で、敵のHPを奪い取る

エルドリッチは暗月の神を喰らい
遅々としたその中に夢を見た
密かに隠した、白い娘の夢を

 この生命狩りの鎌は、1ではプリシラのソウルから生成出来た武器と同名の奇跡である。そのため、ここで「密かに隠した白い娘」と表現されているのはプリシラのことだろう。

 一応他にグウィンドリン関係者で白い娘といえば、ヨルシカがいるが、ヨルシカは場所的に「密かに隠されている」という感じはあまりしない(プレイヤー目線だとやや見つけづらいが、普通に屋外にいる)し、生命狩りの鎌との関連性も不明だから、恐らくプリシラのことで間違いないだろう。

 このテキストには気になる点が二つある。一つ目は「隠した」だ。

 もし、プリシラがシースやグウィン妻の子なら、何故グウィンドリンがプリシラを隠すのだろうか。密かに隠さねばならないような秘密なら、何もそんな人任せにせず、自分たちでやった方がよほど確実ではないだろうか。

 

 二つ目の気になる点は「娘」だ。

 もしプリシラがシースとグウィン妻の子なら、グウィンドリンとは種違いの兄弟、または種も腹も違う義理の兄弟の関係になる。何故ならグウィンドリンはグウィンの末子だからだ。しかし、グウィンドリンが妹や姉のことを「娘」と表現するのは、どうも違和感を覚えるのだ。

 また、この白い娘という表現が仮にグウィンドリン目線ではなく、エルドリッチ目線のものであったとしても違和感はある。

 エルドリッチは、古い幻の都と称されたイルシールの出身なわけだが、いくら古い都の生まれとはいえ神々がバリバリ現役だった時代(1の時代以前)よりは後年の時代の人物と思われる。

(アストラのアンリ)

あの人喰らいは、本当の故郷を目指したのです

空の棺に残された小さな人形が、私に教えてくれました

エルドリッチの本当の故郷は、冷たい谷のイルシール。とても古い、幻の都…

 何故なら初代薪の王はグウィンであり、二代目は恐らく1の主人公だったはずだ。となるとエルドリッチが薪の王になったのは、少なくとも三代目以降であり、当然1の時点で絵画世界に居たプリシラよりもエルドリッチは後年の時代の人物ということになる。にも関わらず、エルドリッチがプリシラを「娘」と称するのは何となく違和感があるのだ。

 それにエルドリッチは人喰らいを繰り返したやべぇ人物であり、エルドリッチの青石のテキスト的に残忍な性格であったことも伺える。

エルドリッチの青石

 

おぞましい人喰いで知られるエルドリッチはきっと伝えたいのだろう。
悲鳴に浴し、生命の震えをこそ喰らうやり方を。

 となると、生命狩りの鎌のテキストがもしエルドリッチ目線なら、性格的にプリシラのことは「白い娘」というよりは「白い女」とか「白い半竜」とか表現しそうな気がするのだ。(半竜の話に引き続き、これまたかなり感覚的な話になってしまうが)

 では、この白い娘という表現はなんなのだろうか。

 個人的な結論を述べると、これはそのまま、グウィンドリンの娘という意味なのではないかと思う。

 つまり、プリシラはシースや、グウィン妻の子ではなく、グウィンドリンの子ということになる。

 プリシラがグウィンドリンの子なら、プリシラを​密かに隠したのがグウィンドリンなのも、プリシラが「娘」と表現されているのも共に無理のない話となる。
 

 しかし、そうなると気になるのは、母は誰かという話だ。

 これまた結論から述べると、それはヨルシカではないかと思う。

 ヨルシカはグウィンドリンの妹である。

 ここで不義の子という表現に繋がってくる。

 兄妹間で出来た子供なので、不義の子、つまり辞書でいうと1の意味「人として守るべき道にはずれること。また、その行い。」というわけだ。

​ また、グウィンドリンとヨルシカはどちらも外見的に竜の血を引いている様子が見られる。ヨルシカには竜の尻尾らしきものが見えるし、グウィンドリンの体には竜の出来損ないとされる蛇が見られる。
 グウィンドリンの父は当然グウィンなので、母親が竜なのだと推察される。(シースが外戚になるためにグウィンに嫁がせた娘だろうか)

 ただしグウィンドリンは、暗月の光の剣のテキストが示すように、グウィンの末子である。

暗月の光の剣

グウィン王の末子にして、暗月の神
グウィンドリンの誓約者に伝えられる奇跡
右手の武器を暗月の光の力で強化する

 末子に更に妹がいるのはおかしいので、妹のヨルシカはグウィンの子ではなく、グウィンドリンとは種違いの兄妹ということになる。

 そしてヨルシカも尻尾や体のサイズ以外は竜っぽい見た目ではなく、神や人の特徴が見て取れることから、父親が神か人ということになる。

 つまり半竜なので、これならプリシラが半竜=竜の血50%である件も解決する。

 要するに、100%の竜と100%の神が交配して50%の竜が生まれたのではなく、50%の竜と50%の竜が交配して50%の竜が生まれたというわけだ。

 また、ヨルシカとグウィンドリンが関係を持っていたとすれば、ヨルシカがグウィンドリンを「兄」と呼ぶ理由も分かる。

 そもそもグウィンドリンは女性として育てられていたはずなのだから、本来は「姉」であるはずだろう。

 

月光の長衣

 

棄てられたアノール・ロンドを守る
陰の太陽グウィンドリンの長衣

その月の力から、娘として育てられた彼の衣装は
極めて薄い魔力の衣であり、
物理的な防御力はまったく期待できない
​​​

 それでもグウィンドリンを「兄」と呼ぶのは、ヨルシカがグウィンドリンを明確に男性として意識していたからなのではないだろうか。

 現代の一般的な兄弟姉妹の感覚からすれば相当奇妙な感情ではあるが、そもそもヨルシカはかなり浮世離れしているというか、世間知らずなキャラクターとして描かれている。

 仕掛けの動かない塔の上に現れた3の主人公に対し、真面目な顔で「空を飛べるのか?」などと尋ねてくるし、それに「飛べる」と答えるとそのまま素直に信じてしまう。また「飛べない」と答えた場合は「お恥ずかしい話ですが、私は知るものが少ないのです…」と悲しげに述べる。

 人が空を飛ぶことを大真面目に信じるほどの箱入り娘ともなれば、もしかすると兄の他に男性を知らない可能性すらあり得るように思う。それほどの世間知らずなら、兄を男性として意識することもあるのではないだろうか。

(ちなみに余談だが、ダークソウル3の没データにはグウィンドリンの指というアイテムがあり、そこには『陰の太陽グウィンドリンの蝕まれた指 半竜の少女が愛した兄の指は蝕まれ 細く以前の面影は僅かに残すのみ それでも少女の兄への愛は変わることがない…』と記されている。この『愛』は健全な兄弟愛ともとれるが、男女の愛ともとれるように思う。ただし重ねて言うが没データなのであくまで余談)

 そんなわけでまとめると、以下のような図になる。

家系図.jpg

(フリーソフト、家系図くんにて作成)

 竜の裏切り者であるシースが竜と子供作れたのか?とか『竜以外』って誰だよ!とか疑問点はあるが、とりあえずプリシラ周りはこんな感じなのではないかと思う。

 シースが竜と子供作れたのか問題を解決するためには、シースの配偶者を神か人にして、その代わり『竜以外』を『竜』にすると丸く収まる。

 その場合シースの娘が半竜ということになるので、グウィンドリンは25%竜、そしてヨルシカは75%竜ということになり、プリシラは25%竜と75%竜の交配で50%竜になったということになる。

  グウィンドリンが25%竜なら、「竜の出来損ない」である蛇の身体を持っていることと繋がるので、むしろそっちの方が奇麗かもしれない。

家系図a.jpg

(パターン2)

 こっちはこっちで、「既に竜は滅んでるっぽいのに、シースの娘の配偶者になってる『竜』って誰だよ!」等の問題が生じるが、一応ダークソウル1の時代においても石の古龍が生き残っていたり、3の時代においてですら、闇に汚染されているとはいえミディールなどが生き残っていたので、竜は完全には絶滅していないと考えれば矛盾はなくなる。

 と、いうわけで、

プリシラおめぇ誰の子なんだよ! の答えは、グウィンドリンとヨルシカの子なんだよ! って感じ……かもね!

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